著者
松本 祥尚 町田 祥弘
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.115-125, 2014-03-31 (Released:2017-06-21)
参考文献数
18

わが国の四半期レビューは,国際レビュー基準やアメリカのレビュー基準と同様に,質問と分析的手続を中心としながらも,最終成果として業務報告書が強制されたり,継続企業の前提への対応が求められたり,といったわが国固有の特徴を有している。本研究では,そうした状況の下,わが国監査人が,実際に,いかなる対象項目にどのような手続を実施し,最終的にいかなる程度の保証水準を確保したと認識しているのかについて,四半期レビューの業務実施者である監査人(公認会計士)を被験者とする実験的調査を実施した。結果として,監査人は,業績の悪い企業では,主に基本的かつ必須の四半期レビュー手続である質問,分析的手続の実施にウェイトを置いているのに対して,業績の良い企業では,四半期レビュー手続を効率化して,実証手続にヨリ多くの監査資源を割いていることが明らかとなった。