著者
松林 洋一
出版者
日本国際経済学会
雑誌
国際経済 (ISSN:03873943)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.65-90, 2015-07-30 (Released:2016-02-03)
参考文献数
14

本論文では, 1980年から2014年までの我が国経常収支の長期的変動と短期的変動を, 多面的なアングルから俯瞰, 展望する。およそ30年近くの経常収支の変動には, 構造的な要因, 循環的な要因, その他要因が重層的に作用している。特に現下の経常収支減少には, これらすべての要因が影響しており, それゆえ変動の解明を困難なものにしている。計量分析に基づけば, 我が国の経常収支は2020年代半ばには赤字化する可能性もある。