著者
松林 賢司
出版者
金沢工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

①雪の輸送中の融解挙動の実験による評価:雪の長期輸送中の融解挙動は経済性の試算に必要なデータである為に独自の実験設備を製作してその評価を実施した。結果は良好で赤南半球の想定陸揚港であるシドニー付近まで輸送するのにかかる2週間の融解による損失は5%以内であり経済性の試算が可能な範囲であることが分かった。②雪資源の陸揚港と需要者の技術的、及び経済的な評価とその最適化:積出港の研究手法と同様に陸揚港としての適性が確認された3港に関してフィールド調査を実施した。バンコック港とシドニー港に関しては現地訪問の上、自治体、並びに前年度に予め協力先として選定された研究機関との意見交換を経て最適港候補の技術的、並びに経済的な評価(使用可能期間、雪置場面積、内陸への雪資源輸送利便性、陸揚設備、雪輸出に関する法規制、自治体の協力体制等)を実施した。本件に関しても関係する専門家として商社、船会社、港湾業務委託会社等に手続きと経済的な観点よりヒアリングを実施した。需要者に関しては大規模な雪資源の冷熱利用を前提として地域冷房施設である北海道ガスや新千歳空港も現地補門の上、調査研究した。並びに冷蔵倉庫を想定の上、陸揚港としての適性が高い地区の需要者候補を政府、及び自治体資料により調査の上、リストアップの後、有望先のフィールド調査を現地研究者の協力も得て実施した。