著者
松沢 俊雄
出版者
大阪市立大学経済研究会
雑誌
季刊経済研究 = The quarterly journal of economic studies (ISSN:03871789)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.p117-136, 1995-09

公共交通機関としてのバスは一般に長期的低落傾向にあり, その活性化が各国共通の課題となっている. 打開策として近年, 民営化, 規制緩和など一連の改革策がとられてきた. それは主として都市間バス(貸切, ツアー等を含む)部門においてみられるが, いくつかの国では地域内バスサービス(Local bus service)部門でも緩和策が実施され, 規制政策の大きな理由をなしていたバスサービス供給の維持・安定性即ち住民の足の確保という公共性と, 事業としてのバスサービス供給効率化の両立に向けて, 一つの見解と方策が示されたわけである. 本稿では欧米の経験をも考慮しつつ, 地域内バス事業改革の方向について考えてゆきたい. ……