著者
松浦 藍
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.313-320, 2018 (Released:2019-03-31)
参考文献数
8

本研究は,絵画作品鑑賞において,色彩の感情効果学習が生徒の絵画作品鑑賞に与える影響を考察したものである。筆者が指導する生徒308名が,9週にわたり授業開始10分間,週1作品の郷土作家絵画作品を鑑賞した。その上で生徒が絵画作品の題名とその根拠を思考し,作品の主題を予想した。郷土作家絵画鑑賞のワークシートの中から,生徒が記述した造形要素に関する単語数をカウントした。10分以降の授業において,9週の内4週を色彩の感情を考える表現活動や鑑賞活動に充て,造形要素等の記述に見られる傾向の推移について考察を行った。その結果,色彩の感情効果学習を経ることで,生徒が絵画から受け取る主題の根拠として挙げた造形要素やイメージの広がりを示す記述が増えていた。このことから,絵画からイメージすることに課題がある生徒が,自分の考えをまとめ表現する手立てとして色彩の感情効果学習が期待できることが分かった。