著者
松田 外志朗
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.65-76, 2004-04-20

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著者
松田 外志朗
出版者
近畿大学原子力研究所
雑誌
近畿大学原子力研究所年報 = Annual Report of Kindai University Atomic Energy Research Institute (ISSN:03748715)
巻号頁・発行日
no.53, pp.13-18, 2017-03-24

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により東日本大震災が引き起こされ、地震と津波により東京電力福島第一原子力発電所事故が起こった。事故により環境に放出された放射性物質が人体に与える影響について懸念された。1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故では、放射性ヨウ素の内部被ばくにより、事故後に小児の甲状腺がんの増加が認められたことから、福島県でも子供の健康を長期にわたって見守るため甲状腺検査が開始された。2011年10月より2014年3月までの先行調査が実施され、2014年4月からは本格調査が実施されている。当初の予想に反して、先行検査の段階から多数の甲状腺がんが発見された。この甲状腺がんの増加は、内部被ばくによる発がんではなく、主として超音波検査の質の向上によるものと考えられている。しかしながら、一部が被ばくによる甲状腺がんではないかという考えを否定することは現状では困難であり、今後診断される甲状腺がん症例が内部被ばくよるものか否かを判断する方法も現状ではない。甲状腺がんの発がんのメカニズムの解明や手術適応の確立は、取り組むべき大きな問題であることを認識する必要がある。
著者
松田 外志朗 栗原 敏修 浅沼 博司 中江 晴彦 冨吉 浩雅 森田 正則 嶋津 岳士 平出 敦
出版者
近畿大学医学会
雑誌
近畿大学医学雑誌 = Medical journal of Kinki University (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1-2, pp.71-79, 2012-03-01

[抄録] 糖尿病患者の増加及び高齢化に伴い, 低血糖症例は増加している.重症症例は, 意識障害などのため他者の援助を必要とし, 救急搬送されることが多い.低血糖症例にいかに対応するかは救急医療の現場において重要な問題である.近畿大学医学部附属病院では, 低血糖症例のほとんどが救急診療部門(ER)において初期治療がなされている.当院ERにおいて, 2008年4月から2010年3月までの2年間で84回の低血糖によるER受診があった.意識障害あるいは意識消失を主訴とする症例が多く, 高齢者の割合も高い.内分泌代謝内科で治療されている症例は半数以下であり, 糖尿病以外の疾患のために他の診療科かかりつけとなっている症例が多かった.低血糖症例に対し適切な初期診療を行うために, 当院における低血糖症例の特徴を検討し, 初期診療において必要な情報について解説する.また, 初期診療において, 注意を要する症例として, 低血糖が10時間以上遷延した7症例, 糖尿病治療を受けていなかった非糖尿病の12症例をとりあげる.さらに, 患者の高齢化や社会的な要因から留意すべき点について考察する.