著者
河田 健二 板野 敬吾
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
no.20, pp.29-36, 2021-06-16

音楽は人類の歴史の中で古くから存在し,現代においても日本人の生活に密着し親しまれている。また,音楽は視聴して楽しむだけでなく,儀式や宗教的な場で演奏されることもある。明治時代以降,日本では西洋音楽の存在を知るところとなり,広く楽曲視聴が普及してきた。ただし,現在ではその市場は徐々に縮小している。その理由はCD等,レコードショップ等で以前から販売してきたものや,「待ちうた」等のサービス販売が低迷してきたからである。 一方,ストリーミングによる楽曲の聴取が2013年頃から売上を伸ばしてきた。現在では,音楽コンテンツ市場全体を下支えしている状況にある。このようなストリーミングサービスが盛んになった背景には,インターネット回線の高速・大容量化とスマートフォンの普及があると考えられる。顧客層の嗜好の変化もあり,音楽コンテンツ市場は大きく変化することとなったのである。
著者
古谷 俊爾 板野 敬吾
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
no.20, pp.37-44, 2021-06

かつてイギリスは大英帝国と称され,覇権国家としてその地位を謳歌していた。その繁栄の背景には,世界中の植民地・自治領から得る利益と,世界に先駆けて実現した産業革命による工業化があった。しかしながら,産業革命では後発国であったアメリカ合衆国やドイツがその後の経済発展により台頭し,それまでのイギリスの地位は安泰とは言えなくなった。このような状況下,イギリスは海外の植民地等を保全し,後発国に対する経済的・軍事的な優位性を確保するよう,19世紀中葉に実用化された電気通信を利用した。 本稿では,新たな通信手段である電信技術に焦点を当て,19世紀から第一次世界大戦までの時期において,イギリスはどのように電信技術を利用したのかを検証する。