著者
林 修二郎
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.86-92, 2017-10-31 (Released:2021-05-08)
参考文献数
14

エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂に対する適切な促進耐候性試験方法を確立するため,23~40年使用したEEA製引留クランプカバーと,促進耐候性試験を施した同製品を比較し,加速倍率を算出した.促進耐候性試験の光源には,カーボンアークと高放射照度のキセノンランプの2種類を用いた.製品の比較は,引張試験および製品の表面に生成した酸化層の厚さ(劣化深さ)の測定によって試みた.引張試験および劣化深さ測定から得られた加速倍率はいずれも同程度だった.また,高放射照度のキセノンランプを光源として用いた促進試験品は,カーボンアークを用いた場合や実使用品とは異なる劣化形態を示した.EEA樹脂の促進耐候性試験ではカーボンアークの使用が適切であると結論付けられ,高放射照度のキセノンランプの使用には注意を要する.