著者
塚田 全彦 眞鍋 千絵
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.12-17, 2002-01-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
2
著者
大澤 敏 城殿 威生 小川 俊夫 附木 貴行
出版者
MATERIALS LIFE SOCIETY, JAPAN
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.73-78, 2001-04-30 (Released:2011-04-19)
参考文献数
13
被引用文献数
1

生分解性プラスチックであるポリ乳酸は, 高い力学的性質と透明性を兼ね備えており, 近年農業用シートなど屋外での用途が期待されている.実用的な視点から見ると使用中の耐候性の評価や分解予測が必要である.本研究では, ポリ乳酸 (PLA) フィルムを屋外暴露試験し, 試料の破断強度に与える日照量 (光分解) と降水量 (加水分解) の影響を重回帰分析した.その結果, 破断強度は, 降水量Wと加水分解の反応速度定数kを掛け合わせた変数雁7と, 日照時間Uと光分解の反応速度定数k'を掛け合わせた変数k'Uの関数で表すことができた.また, PLAの分解に及ぼす影響を重回帰式の標準偏回帰係数で比較したところ加水分解と光分解で約2: 3であり, 光分解の影響がかなり大きいことが明らかになった.またこの結果は実験室内で加水分解速度と光分解速度を別々に測定した結果と一致した.
著者
吉武 紀道 久保 孝一 古川 睦久
出版者
MATERIALS LIFE SOCIETY, JAPAN
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.185-190, 2002-10-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
10

ポリウレタン (PU) は耐熱性に劣るためポリイミド (PI) やポリアミド (PA) 等の耐熱性を有するポリマーとの共重合による耐熱性の改善が考えられる.ここでは種々の配合比で共重合させたPU-PA, PU-PIの熱分析 (TG-DTG) を行い, 小沢らの方法による解析ソフトを用いて熱分解特性を検討すると共に長期使用における耐熱性の評価を試みた.800℃まで10, 20, 40℃/minの昇温速度で昇温して得られたTG曲線について解析を行った.PA, PIの配合比の増加により共重合体の性状はエラストマーからプラスチックに移行し10%重量減少温度 (T-10) から見た耐熱性は増加し, 熱重量減少率と配合比の間に定量的な関係が見出された.PUにPAやPIを10~20%共重合することによりエラストマーとしての性質を保持しながら, 約10~50℃の耐熱性が向上した.さらに10%減量するのに100年間かかる上限の温度を寿命温度として寿命予測した.
著者
宮原 康弘 水野 孝志郎 石川 朝之 武田 邦彦
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.33-39, 2009-02-28 (Released:2021-05-08)
参考文献数
11

油団(ゆとん)は日本の伝統的製品であり,夏場に座敷に敷き詰めると真夏の暑い時期でもその部屋の中にいる大人や子供は快適な時間を過ごすことができるため,上品で高級な夏の敷物として使われてきた.本論文はこの伝統的製品をSEM,熱伝導測定,赤外線サーモグラフィーなどの現代の機器分析器を用いて解析した結果を示したものである.油団は日本の紙(和紙)を積み重ねて作られ,表面は密で滑らかであるが,下部は粗く,繊維が絡み合っている構造を採っている.熱伝導率は0.11W・m−1・K−1であり,アルミニウム,ガラス,アクリル樹脂の板よりも低かった.これは油団が紙でできていて典型的な保温材構造をとっていることから理解できる.しかし,人間の手を赤外線サーモグラフの上において種々の物質の熱散逸速度を測定すると,油団の熱散逸速度はアルミニウム板よりは小さいものの,ガラスやアクリル樹脂より大きい結果を得た.これは,手の脂と水が油団の滑らかな表面から内部に移動し,そこで絡み合った細い繊維の表面から蒸発することによって熱を奪っているためと考えられる.
著者
堀井 久一
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.80-84, 2005-07-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
12
被引用文献数
2
著者
秋山 純子 稲葉 政満
出版者
MATERIALS LIFE SOCIETY, JAPAN
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.22-27, 2004-01-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
12

スマルトはコバルトガラスを細かく砕いて作った青色の顔料である.スマルトは変色しやすい顔料と言われているが, 未だ変色のメカニズムは明らかにされていない.本研究では, カリウムとコバルトの含有成分比の異なるコバルトガラス (自作スマルト) を作成し, スマルト粒子中の成分が乾性油の酸化と変色に及ぼす影響の違いを検討した.作成した自作スマルト5種類を各々亜麻仁油に添加, 110℃ で336時間加熱し, 亜麻仁油の脂肪酸組成と可視吸収スペクトルを経時的に測定した.亜麻仁油中のリノレン酸量の減少を指標とした酸化反応はカリウムの含有量が多いほど抑制され, コバルトの含有量が多いほど促進された.分光分析の結果, カリウムの含有量が多いほど, そしてコバルトの含有量がないほど変色が大きかった.以上のことから, スマルト中のカリウムおよびコバルトの含有成分比の違いによって乾性油の酸化と変色の程度に違いが生じることが明らかとなった.
著者
藤井 善通
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.18-22, 2001-01-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
15
著者
松井 健一
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.161-164, 2001-10-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
16
著者
柳原 榮一
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.85-88, 2005-07-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
11
被引用文献数
2
著者
岡田 秀則
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.41-46, 2004-04-30 (Released:2011-12-05)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
鈴木 徹也
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.40-45, 2017-05-31 (Released:2021-05-08)
参考文献数
5
著者
佐々木 彩乃 桐野 文良 塚田 全彦 高木 秀明
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.46-58, 2017-05-31 (Released:2021-05-08)
参考文献数
15

本研究ではエオシンとそれをレーキ化したゼラニウムレーキ顔料について,レーキ化が耐光性に及ぼす影響を検討した.X線回折,電子顕微鏡観察より,どちらも結晶構造をもつが,ゼラニウムレーキ顔料の方が,粒子が微細であることを確認した.また紫外-可視分光分析で両者に吸収端波長の違い等がみられたのに対し,赤外分光分析,ラマン分光分析では差異は認められなかった.エオシンとゼラニウムレーキ顔料を用いた油絵具の耐光性試験では,ゼラニウムレーキ顔料の変色はエオシンの4分の1程度であった.ゼラニウムレーキ顔料ではアルミニウムイオンとの結合により電子状態の変化が生じ,耐光性の向上に寄与していると考えられる.光による変色の機構を赤外分光分析で検討した結果,いずれの絵具もC-Brの分解とキサンテン環の構造に変化が確認された.また試料の断面観察,顕微赤外分光分析から,どちらの試料にも表面に薄い層が形成されており,光劣化は表面層にのみ生じていることが明らかとなった.
著者
林 修二郎
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.86-92, 2017-10-31 (Released:2021-05-08)
参考文献数
14

エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂に対する適切な促進耐候性試験方法を確立するため,23~40年使用したEEA製引留クランプカバーと,促進耐候性試験を施した同製品を比較し,加速倍率を算出した.促進耐候性試験の光源には,カーボンアークと高放射照度のキセノンランプの2種類を用いた.製品の比較は,引張試験および製品の表面に生成した酸化層の厚さ(劣化深さ)の測定によって試みた.引張試験および劣化深さ測定から得られた加速倍率はいずれも同程度だった.また,高放射照度のキセノンランプを光源として用いた促進試験品は,カーボンアークを用いた場合や実使用品とは異なる劣化形態を示した.EEA樹脂の促進耐候性試験ではカーボンアークの使用が適切であると結論付けられ,高放射照度のキセノンランプの使用には注意を要する.

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著者
坂本 雅美
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.18-21, 2002-01-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
6