著者
林 勝義 丹羽 修
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-12, 2002-01-05
参考文献数
61
被引用文献数
5

脳内,神経細胞計測用の電気化学センサーシステムについて概説した.リアルタイムモニタリングを目的とした微小電極型,オンライン型,そして,チップ上に検出器や電気泳動を集積したマイクロ化学分析システム(μ-TAS)について,生体・細胞測定に適用されたデバイスを中心に,電気化学検出器と組み合わされた電気泳動チップの現在の動向についても紹介した.微小電極型センサーでは,電極材料や測定手法の開発により,オンライン型センサーでは,酵素カラムや電気化学反応器と検出器との組み合わせにより,高感度,高選択測定が実現されている.μ-TASでは,センサーシステムの微小化によってよりリアルタイムな生体・細胞測定実現の可能性が示された.シナプスレベルようなの速い応答を高い位置分解能での測定が可能なセンサーが必要とされており,今後その実現が期待される.