著者
林 宝貴
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.49-62, 1975-12-15 (Released:2017-07-28)

特殊教育先進国における聾児言語指導は医学・心理・教育・工学など諸科学の発達の影響下で、口話法・聴能訓練を改善促進して著しい効果をあげているにも拘わらず在学中の聾唖生及び社会人としての聾唖者は、依然手話を交信の主な手段・又は補助手段として偏重している。最近特殊教育先進国の教育・心理学界の学者達も手話の存在価値を見直し再評価しようという傾向があり、僅かながらも、それに関する実験調査の報告が出ている現状にかんがみ、手話を言語指導上の補助手段として位置づけ、より合理的な手話の整理・研究を行なうための先行調査研究として、アメリカ・日本・中華民国(以下台湾と省略する)の手話法について比較研究を試みたい。