- 著者
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佐々木 輝美
林 志修
- 出版者
- NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
- 雑誌
- シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.53-59, 2018-11-30 (Released:2019-06-17)
- 参考文献数
- 15
本研究では,ゲームレーティングの客観的な基準を探った.その基準を明らかにするため,ゲームソフトのレーティングを行っているNPO法人のCEROが公表した一連の調査データの中の性表現,暴力表現,および反社会的行為表現に関するデータを利用し,次の3点を検討した.1)各々の表現項目がどの年齢にふさわしいかの判断について,保護者とゲームユーザーとの間に統計的に有意な差があるかどうか.2)有意な差がある場合は,なぜそのような差が生じるのか.そして,3)レーティングの客観的な基準を何に求めたらよいのか.その結果,1)保護者とゲームユーザーとの間には明らかな有意差が見られ,2)その理由として,保護者については第三者効果が,そしてゲームユーザーには脱感作効果が働いていることが推測された.そして,3)ゲームユーザーの中でも,女性ライトユーザーがバランスのとれた判断をしていることがわかり,客観的なレーティング基準として役立てることが提案された.