- 著者
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林 規生
- 出版者
- 一般社団法人大学英語教育学会
- 雑誌
- JACET全国大会要綱
- 巻号頁・発行日
- vol.35, pp.152-155, 1996-09-21
英語学習は生涯学習の観点でとらえると, 初期学習段階から年齢推移にともなう英語能力の変化は, 学習者はもとより, 英語教育に携わる者にとっては興味のある重要な問題である。財団法人日本英語検定協会が主催する実用英語技能検定試験と児童英検の被験者は, この問題に関する貴重なデータを供給する。項目反応理論(Item Response Theory) に基づく垂直等化(vertical equating) が1歳から70歳までの日本人受験者約46, 000名に応用された。項目反応理論に基づき作成された児童英検と, 異なる級それぞれ独立に標準化が行われている実用英語技能検定試験は, 項目反応モデルにより結合され, 同じ単位と原点を持つ統合された尺度が確立された。それぞれの被験者は, 児童英検と実用英語技能検定試験の成績により, この共通尺度上に位置づけることが可能となった。共通尺度上で評価された各被験者の成績は, 各年齢段階ごとに集計され, 年齢推移に伴う一つの英語能力成長曲線として描かれた。この曲線は日本人英語学習者の幼児期から高齢期までの, 平均的英語能力の変化の様子を示した。