著者
小野 正虎 柏木 温子 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.151, pp.25-30, 2002-06-20
参考文献数
5

多視点画像から物体の3次元形状を獲得する手法として視体積交差法が知られている.一般にこの手法を動きを有する物体に適用する際は,複数のカメラによって多視点画像を同時に取得する必要があり,各カメラのキャリブレーションや同期に要するコストが問題となる.そこで本稿では,単一のカメラと複数色光源を利用して視体積交差法と同様な原理を実現する手法を提案する.まず,基準となる物体の影を計測し,光源の位置とカメラパラメータを推定する.次に測定対象に色の異なる光源を同時に照射した際の床面の影を撮影し,各光源に対応する影を画像上の色の違いに基づいて分離する.これらの影と光源を結ぶ錐体を考え,その共通部分を抽出することで物体の3次元形状を求めることが可能となる.