著者
柘植 俊介 國友 隆二 吉永 隆 武田 守彦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.39-44, 2017-01-15 (Released:2018-01-15)
参考文献数
12

症例は72歳男性.動悸を主訴に救急外来を受診したところ,持続性心室頻拍症と診断され電気的除細動を受けた.これまで冠疾患の既往はなかったが,心筋シンチでは一部心尖部を含み側壁から下壁にかけて集積低下を認めた.心臓カテーテル検査では,心尖部まで到達する灌流域の広い左回旋枝の有意狭窄病変に加えて,前側壁から心尖部および下壁にかけての左室瘤形成が認められた.狭窄部へのインターベンションと同時にアミオダロンが導入されたが,初回心室頻拍発作から18日後と92日後に持続性心室頻拍が発生し,いずれも救急外来での電気的除細動が必要となった.3回目の頻拍発生時期より視力障害を訴えるようになり,眼科で角膜色素沈着を指摘されアミオダロン角膜症が疑われた.左室拡張末期容積103 mL/m2,左室収縮末期容積67 mL/m2と心室瘤としては容量も小さく心不全症状も乏しかったが,不整脈手術と左室形成術を施行した.術後心室性期外収縮は著明に減少し,アミオダロンを中止してからも心室頻拍の発生は認められていない.