著者
柳澤 佑介 松崎 公紀
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-33, no.9, pp.1-6, 2015-02-26

近年,コンピュータ大貧民においてモンテカルロ法プレイヤが広く用いられ,その改良についてさまざまな研究が行われている.大貧民のモンテカルロ法プレイヤでは,各プレイアウト (シミュレーション) のはじめに,相手手札を仮想的に生成・推定する処理を行う.本研究では,この相手手札の生成・推定を行う方法を4つ提案し,対戦実験を通してその効果を評価する.特に相手手札の推定は,既存のプレイヤから得た札譜に加えて,相手プレイヤの提出手役履歴をもとに行う.実験の結果,手札生成および手札推定の手法によりモンテカルロ法プレイヤが強化されることを確認した.しかし,本研究で提案した手札推定では負の効果を持つこともあるという問題点も見られた.