著者
柳澤 秀樹
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.422-423, 2018-09-20 (Released:2019-09-01)
参考文献数
7

最近スーパーなどでセスキ炭酸ナトリウム(セスキ炭酸ソーダ)がよく見かけられるが,学校教育ではあまり扱われていない。しかし,セスキ炭酸ナトリウムは世界ではアンモニアソーダ法に代わる炭酸ナトリウムの原料であり,典型金属元素の単体と化合物の単元で扱う炭酸水素ナトリウムの熱分解反応や,酸と塩基の反応の単元で扱う炭酸ナトリウムの二段滴定法を組み合わせることで,その組成を知ることができる。一部の生徒が教師役となり,予備授業を通して授業を行っていく,生徒主導型授業(略称:PIE)から生徒がセスキ炭酸ナトリウムの組成を求めるのに適した実験方法を探りあてた。本稿ではその条件と筆者が追実験した結果を述べ,さらに,PIE当日の生徒の様子についても紹介する。