著者
柴田 あづさ
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.58-59, 2012-09-15

In a Japanese language class for international students, I teach a play in the Kobe dialect with the help of Japanese students. To enhance leaning effect and create a play with higher quality, it is essential for all students to actively take part in all the process. In order to sustain the motivation of all the students for the whole semester, I made each student set individual objectives (assessment points) beforehand, assess them with each other among all the students after the performance day, and the average scores were integrated into part of their grades in the 2011 fall semester.
著者
柴田 あづさ
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.62-77, 2018 (Released:2020-08-26)
参考文献数
15

本稿の目的は,関西地区の大学に在学する外国人日本語学習者4名が,日本人と関西弁による演劇作品を制作し上演する活動を通して,日本語学習上の問題をいかに克服し学習を進め伸びていったか,その過程と変化の要因を認識することである。インタビューで得た語りを複線径路・等至性モデリングで分析した結果,4名が,時期や具体的な状況は多少異なるものの共通性のある過程を辿り,いくつかの重要な行動をとることで日本語発話や演劇活動に対する不安を克服し,新たな自己を確立してくことがわかった。それは,1) 怖さや不安を感じる中で劇をすることを「決断した」こと,2) 「恥ずかしがっている方がおかしい」と「認識を変えた」こと,3) 震えや発汗などの症状を感じる中で「舞台に上がった」ことであった。さらに,スポットライトが緊張を和らげ,観客の笑いや拍手による反応によって「客を笑わせる」という学習者自身が立てておいた行動目標の達成を実感したことも変化を促したと考えられた。