著者
柴田 優作 日比野 直彦 森地 茂
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_461-I_474, 2019
被引用文献数
1

わが国では,地方創生に資する重要施策の一つとして,訪日外国人旅行者の増加策が着目されている.訪日外国人旅行者数は近年顕著な増加を示すが,宿泊数に着目すると,民泊やクルージングの増加は宿泊施設での宿泊数の増加にはあまり繋がらず,地域への経済効果は限定的となっている.観光消費の4分の1以上を占める宿泊費を増加させることは地域にとって重要であり,宿泊実態を定量的に把握することは,インバウンド観光による地域活性化を考える上では重要である.本研究では,宿泊旅行統計の施設データを用い,訪日外国人旅行者の宿泊実態を市町村別に把握することを試みる.公表された都道府県別のデータではなく,約1600の市町村のデータを作成し,外国人宿泊者数,外国人比率,稼働率等より,各市町村の特徴を整理したことが本研究の特徴である