著者
猿渡 力也 北城 梓 柴田 英哲 密川 守
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.826-828, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
4

サーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認め,その後急速な下肢の脱力及び膀胱直腸障害を生じた症例を経験した.症例は23歳女性.2017年7月にサーフィン中に腰部の違和感及び疼痛を認めた.その後,急速な下肢脱力を認め,立位不可能となり近医受診.急速に進行する不全対麻痺にて直ちに当院紹介となった.初診時,両下肢の感覚異常,筋力低下及び完全尿閉を認めた.画像検査では,MRI T2強調像とSTIRにてTh10~L1の脊髄内に左右対称性に高信号を認め,脊髄の軽度腫大を認めた.理学所見および画像所見からsurfer's myelopathyと診断し,受傷翌日からステロイドパルス療法3日間(1 g×3 day)施行した.パルス療法開始翌日から筋力の回復を認め,6日目には自尿も可能となり,11日目に退院となった.Surfer's myelopathyは画像所見に乏しく,治療法は確立されておらず,文献的考察を含め考察する.
著者
柴田 英哲 後藤 昌史 村松 由崇
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.181-183, 2019 (Released:2019-12-24)
参考文献数
4

上腕三頭筋腱断裂は腱断裂の中でも比較的稀な病態であり,関節リウマチ・慢性腎不全・ステロイド内服・ステロイド局注・上肢を主に使うスポーツなどにより発生する例の報告が散見される.今回我々は比較的稀な上腕三頭筋腱断裂を経験したので報告する.症例は51歳,男性である.柔道歴30年,現在は柔道の指導者である.柔道練習中に左肘に違和感を覚えた翌日のウエイトリフティング中に轢音とともに左肘の疼痛が出現し(受傷時のアームポジションなどの詳細は不明),翌日当院を受診した.初診時,肘頭近位部に陥凹を認めており完全伸展は不可能であった.MRI,エコーにて完全断裂を認めたため手術を施行した.術後7か月現在経過良好である.上腕三頭筋腱の裂離タイプにおける手術方法として骨孔法とアンカー法があるが,今回我々はアンカー法を選択した.手術方法に関して文献的考察を加えて検討する.