著者
秋本 浩二 西須 孝 柿崎 潤 落合 信靖 藤田 耕司
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.105-108, 2017 (Released:2019-06-05)
参考文献数
10

背景:病態について不明な点が多いPanner病の4例を経験し,その病態について検討を行った.方法:症例は全例男性で年齢は平均9.1歳,経過観察期間は平均35.5か月であった.調査項目は患者背景(スポーツ歴・家族の喫煙歴・ステロイド内服歴・骨年齢),症状,単純X線所見の変化,治療経過とした. 結果:スポーツ歴はドッジボール2例,テニス1例,野球1例であった.家族の喫煙歴は1例,ステロイド内服歴は2例にみられ,1例で骨年齢が暦年齢より若かった.症状は,全例に肘関節痛があり,肘関節可動域制限が3例にみられた.単純X線で骨端核が修復されるまでの期間は平均12.7か月であった.全例保存加療を行い,オーバーヘッド動作制限期間は平均15か月で,全例臨床症状は改善した. 結論:Panner病4例に対し保存加療を施行し,全例臨床症状は改善した.オーバーヘッド動作を伴うスポーツ歴,ステロイド内服歴はPanner病のrisk factorになりえると考えられた.