著者
栗山 弘
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.15-19, 1981-11-30

わが国で最も雪深い地域の一つを通る国道17号線の,長岡から新潟・群馬県境までの,約100kmの道路の除雪量は2,000万m^3と推測されている(建設省長岡国道工事事務所).道路100kmでこれだけであるから,わが国の全積雪地域で処理される雪の量は,ぼう大なものであり,そのために費されるエネルギーの量もまた,ぼう大であるに違いないが,いまだ実態は把握されていない.いろいろな雪処理において,消費エネルギーのいくらかでも節減できれば,現今の社会的要請である省エネルギーに備えるし,除雪経費の低減にも寄与できよう.雪害対策に関係する方々の参考のために,雪処理のエネルギーについて,除雪での身近な例をとり上げて,少し述べてみよう.