著者
大竹 政和
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-7, 1980-11-25
被引用文献数
1

関東・東海地域はアジア・太平洋・フィリピン海の各プレートが会合する場所に当たり,3つのプレートの入り組んだ相互作用によって,そのテクトニクスはきわめて複雑な状況を呈している.そのために,地震の発生メカニズムについても不明の点があまりにも多い.しかし,わが国の心臓部を擁しかつ常に大地震の危険にさらされている地域であるだけに,この複雑な場の基本的な構造を解明することば,地震予知研究の立場から見ても第一級の研究課題と言わねばならない.幸い,深層地殻活動観測施設をはじめとする地震観測網の整備が進むに従って,この地域の震源決定精度が格段に向上し,小さな地震の発震機構も精度よく決めることができるようになってきた.こうした良質の地震データを基礎こ,関東・東海地域のテクトニクスを統一的に説明するモデルが生み出された.この統一モデルの概要を紹介し,あわせて,モデルから予測される関東直下の地震の発生メカニズムについて論ずることにしたい.
著者
都司 嘉宣
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.15-20, 1979-09-25
著者
大竹 政和
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.10-14, 1979-09-25

「大規模地震対策特別措置法」の適用第1号として,静岡県を中心とする6県の合計170市町村が「地震防災対策強化地域」に指定された.中央防災会議,各県,各市町村,.国鉄・NHKなどの指定公共機関,石油化学コンビナートなどの民間の重要施設では,それぞれのレベルで地震防災計画を策定して,大地震の来襲に備えることになる.大地震がいよいよ発生すると判断された場合には,「警戒宣言」が発せられ,それぞれの計画に従って地震防災応急対策が実行に移される.警戒宣言は,気象庁長官から報告される専門的な地震予知情報にもとづいて,総理大臣の判断と責任において発せられることになっている.予知を前提とする地震対策という,世界にも前例を見ない野心的な試みがその第一歩をふみ出したわけである.今回の地域指定の標的は,言うまでもなく駿河湾から御前崎沖を震源地とする「東海大地震」である.それでは,予測される東海大地震とはどのような地震なのだろうか,これを予知するためにどのような努力が行なわれているのだろうか.本稿では,東海大地震の予知に関する現状を概観してみる.
著者
西川
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-49, 1967-03-15
著者
栗山 弘
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
防災科学技術 (ISSN:04541871)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.15-19, 1981-11-30

わが国で最も雪深い地域の一つを通る国道17号線の,長岡から新潟・群馬県境までの,約100kmの道路の除雪量は2,000万m^3と推測されている(建設省長岡国道工事事務所).道路100kmでこれだけであるから,わが国の全積雪地域で処理される雪の量は,ぼう大なものであり,そのために費されるエネルギーの量もまた,ぼう大であるに違いないが,いまだ実態は把握されていない.いろいろな雪処理において,消費エネルギーのいくらかでも節減できれば,現今の社会的要請である省エネルギーに備えるし,除雪経費の低減にも寄与できよう.雪害対策に関係する方々の参考のために,雪処理のエネルギーについて,除雪での身近な例をとり上げて,少し述べてみよう.