著者
栗岩 常明
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.25-32, 1990-10-20 (Released:2009-08-07)
参考文献数
6

21世紀初頭を目指し宇宙時代を拓くためには,宇宙輸送インフラの整備が急務である。その一環として,不可欠な宇宙への表玄関スペースセンター建設の構想がいくつも提案されてきたが,その実現はかなり難しそうである。これらが宇宙時代の惑星地球のメトロポリス建設ともいえる壮大な計画なので,最適地域での用地難とますます厳しくなる環境問題が障害になるようだ。しかし,この実現は急を要するので,その代案となり得る必要最少限の陸上施設からなる前進基地を設けた最適地域にある大洋島と,その周辺に展開する私が考案した宇宙ロケットの洋上打上げ基地(Ocean Launch Complex for Space Rocket-OLC)をモデファイした打上げ設備や水平離着陸式宇宙往還機用滑走路などの各種施設を設置したいくつかの浮体式人工島からなる,環境に優しく,無限に能力を拡張でき,短期間の建設が容易な洋上グローバル・スペースセンターの構想を提案する。