著者
栗田 哲平 三輪 誠 近山 隆
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.172-179, 2007-11-09

将棋における画像情報を用いた精度の高い局面の自動認識は,現実の対極での棋譜の効率的取得およびユーザ支援をするにあたって重要な処理である.精度の高い自動認識をするためには,その時の状況に因ってパラメータを変え,ロバストに将棋盤の認識と局面状況の認識を行う必要がある.本研究では将棋を対象とし盤の桝目の認識と,差分情報を用いた局面の自動認識を精度高く行う事を目的としている.駒の動きは事前に得ておいた訓練例を用いて決定木を構成し分類を行い,打った駒は初期盤面の駒情報を訓練例とし逐次最小最適化法を用いた Support Vector Machine による分類によって,その種類の判断を行った.結果として,今回の実験例では 640 × 480 の解像度を持つカメラからの画像情報を用いて,桝目の認識はパラメータを調整しないで 97.0%,桝目属性の分類に 99.7%,打った駒の判断を 100%の正解率で分類を行う事が出来た.