著者
根尾 昌志
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.114-120, 2014 (Released:2014-02-25)
参考文献数
21

頭蓋頚椎固定術は骨の手術であるということを認識し, 手術にあたってはbone biology, biomechanics, 頭蓋頚椎アラインメントについての知識, 理解が必須となる. これらの視点から, 頭蓋骨や上位頚椎のアンカーの特徴と注意点について述べる. 後頭骨や頚椎のインストゥルメンテーションの最大の合併症は血管損傷であり, これを予防するためには, 血管走行のバリエーションの理解と, 術前のCT angiographyやCT venographyによる椎骨動脈や脳硬膜静脈洞の評価が必須である. また, 上位頚椎のアラインメント不良が, 後頭骨頚椎固定術のもう一つの重篤な合併症である術後の嚥下障害に与える影響についても述べる.