著者
根本 藍 藤代 裕之 野々山 正章
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.68, 2021

<p>電車内には車内広告をはじめとして多くの情報が存在し、ビーコンなどを用いた情報提供の方法も実験されているが、心地よい情報行動をもたらしているわけではない。</p><p>そこで本研究では、スマートフォンと電車の時間的・空間的制約に注目し、電車移動における心地よい情報行動の要因を明らかにすることを目指す。乗車時間という電車の時間的制約と、混雑率や立ちか座りかという電車の空間的制約によって電車内の情報行動が異なるのではないかという仮説のもと、電車内の情報行動についてアンケート調査を行った。</p><p>調査の結果、乗車時間が短い場合は断片的な情報行動が多く、スマホから目を離すのは乗車後10分弱であった。立っている場合は車窓や車内広告を見るなど車内に目を向けやすいことも明らかになった。さらに、目的地の違いによっても情報行動が異なった。</p><p>これらの結果から、スマホと電車の時間的・空間的制約と目的地が電車移動における情報行動のデザインの要因であるといえる。具体的には、乗車後10分と目的地ごとの情報行動の違いを踏まえてデザインする必要がある。</p>