著者
桂 敏夫
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.293-299, 1995-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

腹痛に対しては普通, 芍薬甘草湯 (以下芍甘湯とする) が用いられるが, 甘草湯もこれに劣らず有用である。外来で日頃遭遇する腹痛の中では, 急性の感冒やこれに伴う胃腸炎による一過性のものが多いが, 1年間子供を主とする130例に対してこの両者を内服と口に含むだけの2通りの方法で止痛までの時間を測定した。この2薬方と2方法の4通りのいずれにもほとんど差がなく, 大部分のものは数分から10分以内で腹痛が消失した。