著者
吉邨 善孝 桐山 啓一郎 藤原 修一郎
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.2-8, 2013-01-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
2
被引用文献数
1

コンサルテーション・リエゾン精神医学の分野において,チーム医療の推進,精神医療の標準化,可視化の実践が期待されている。平成24年4月の診療報酬改定に際して,精神科リエゾンチーム加算が新設された。精神科リエゾンチームは,一般病棟でせん妄や抑うつを有する患者,精神疾患を有する患者を対象として,精神症状の評価,定期的なカンファレンスの実施,心理療法,薬物療法,ソーシャルワーク,心理教育を適切に行い,退院後も精神医療(外来など)が継続できるような調整を実施する。一方,今後の課題として,①算定医療機関の偏在,②診療ガイドラインの整備, ③チーム編成,④看護師の専任規定,⑤専門看護師認定に関する課題,⑥研修規定,⑦精神科医師の算定要件,⑧診療報酬上の評価が十分でないなどがあげられる。