著者
桟敷 まゆみ
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Humanities and Social Sciences (ISSN:24339180)
巻号頁・発行日
no.2, pp.83-106, 2019-03-29

筆者は、留学生や外国につながる学生の自律的な日本語学習を支援することを企図し、担当授業において「学習記録レポート」を用いた取り組みを実施した。受講生は開講前に自ら学習目標を立て、学習を計画し、学期中はそれにもとづき日本語学習を進めた。学期終了時には自らの学習状況や学習姿勢等をふり返り、学習記録レポートを書いた。本稿の目的は、学習記録レポート執筆の取り組みが、受講生の日本語学習に関する内省を深め、自律学習に必要なメタ認知の力を鍛えることに貢献したかを検証することである。結果、自らの計画に基づく日本語学習が受講生に様々な気づきをもたらし、自律学習の遂行時に使用するメタ認知的知識が得られることがわかった。受講生が学習の目標と計画を立て、試行錯誤しながら学習を進め、最後に学習や自らをふり返るという一連の活動は、メタ認知的活動と言えるものである