著者
梁周興嗣撰
巻号頁・発行日
1617

「千字文」は天地玄黄に始まる4字句の韻文を1字の重出もなく、250句一千字に作り、注を付したもの。南朝梁の周興嗣(‐521)撰。1巻。漢字文化圏の諸国で、習字手本・初学教科書として久しく用いられ、その文字を借りて、順序を表すことも行われた。本書は周興嗣の注を基本に、後世の註釈家の説を加えた古注本・纂図本と呼ばれる系統のもので、日本では江戸時代初期まで広く流布した。本版は元和3年(1617)木活字印本。古活字版。巻末に刊記がある。慶長13年(1608)木活字印本の翻印本とみられる。活字の整った佳版である。