著者
横山 孝男 梅宮 弘道 寺岡 達夫 渡部 英男 桂木 公平 笠原 敬介
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.46, no.402, pp.322-330, 1980-02-25
被引用文献数
7

日本のような温帯性気候では夏は猛暑に冬は豪雪に悩むところが多いが,本研究では夏野猛暑(冬の酷寒)を地下水に託し井戸より人工かん養し大地の断熱性と帯水層の大熱溶量性により季節的に畜熱し冬季暖房・消雪(夏季冷房)に結びつけるものである.本論では野外実験と数値解析により夏季かん養温度の40%を冬季まで蓄積可能なことを明らかにし熱汚染を防止し,効果的な季節的畜熱を行うための適正井戸間隔を提示するものである.
著者
梅宮 弘道 大高 敏男
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.56, no.532, pp.3860-3868, 1990-12-25
被引用文献数
3

A theoretical analysis of a snow-melt road has been performed using a method of imaging line sources. The results showed that: (1) The snow-melt road proposed in this report is assumed to be a uniform concrete road which has a deep heat storage zone 2.9m under the road. (2) The heat loss through the road shoulder can be eliminated by a thermal insulator buried in the shoulder 50cm deep. (3) The power of the proposed type of heat storage is far superior to the standard one. Over 5 days, the surface heat flux of this road is larger than the standard one. (4) The optimal relation between the pitch, the depth of the buried heat transfer pipes and the temperature of water used are shown in the figures. A thermal design process is proposed.
著者
梅宮 弘道
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
雪氷防災研究発表会報文集
巻号頁・発行日
vol.13, pp.19-25, 2001-12-07

雪国の雪の始末は手ごわい。雪を融かすことができれば一番良い方法ではあるが、その熱量は膨大である。他方、雪国の夏は、格別に暑い。夏の暑さを冬に回し、冬の雪を夏に使うことはできないか?地下水実験を重ねている間に偶然、発見したのが地下に熱を蓄える「帯水層蓄熱法」である。夏、注入した熱のうち、どれだけ冬に利用することができるか実験を繰り返した結果、熱回収率60%を実証した。以来、20年。産・学・官の力を合わせ、融雪熱源として実用化する努力を続けて来た。その間、社会情勢も環境問題からクリーンエネルギーの活用と、老齢化現象から、冬期交通網のバリアフリーが要求される時代へと変わりつつある。「帯水層蓄熱式融雪システム」の特徴をまとめると次のようになる。1.冬でも自由に歩き回れる街を作ることができる。2.自然エネルギーを活用することにより、環境を損なわないシステムである。3.地下水を汚さず、消費しない融雪システムである。4.暖房・冷房・融雪と、多段階利用を導入する事により設備の稼働率を上げ、運転経費を削減する事ができる。