著者
梅崎 薫
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.65-71, 2013

【目的】修復的司法または修復的正義Restorative Justiceと呼ばれる対話アプローチを用いて、葛藤のある家族関係の修復を早期から支援し、高齢者虐待を予防する家族支援法(以下、RJによるFGC)を開発する。 【方法】研究方法はアクションリサーチで、実践モデルの開発においては芝野が日本における児童虐待領域で用いて修正を加えたModified-Design and Development(M-D&D,2002)を採用する。 【結果および考察】共同開発する実践家から予防に対して期待と難しさがあげられ、社会への啓発、地域住民の参加、専門職の役割、加害側の参加、ライフイベント、世代交代での不適応、深刻度と継続期間、アドボカシー、軽度知的障害者等支援、アルコール依存、状況での暴力、経済的搾取とネグレクトという論点が抽出された。 【結論】RJによるFGCのたたき台を検討するには、適用対象の特定が必要で、援助技術の獲得にはシナリオロールプレイが効果的と考えられる。プロセティック・アプローチとして、地域住民にRJという対話方法を啓発する必要がある。