- 著者
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梅本 滋
- 雑誌
- 東北海区水産研究所研究報告
- 巻号頁・発行日
- no.5, pp.103-111, 1955-10
1.チクワの色を白く仕上げる目的で、チクワの表面をH2O2液で湿す処理を行う場合がある。このH2O2処理についてと、それがチクワに及ぼす影響とについて検討を行った。2.チクワ漂白の目的に使用されているH2O2の濃度は0.85~3.5%であった。3.漂白処理時にH2O2液の濃度の変化は僅かで、大体一定に保たれていた。これはH2O2液に入っていると考えられる安定剤の存在によるものであろう。4.H2O2処理によってチクワはその表面だけでなく、その内部も白くなるのが観察される。チクワ内部のH2O2の検出法を定めた。この方法を用いた結果、チクワ表面を湿したH2O2は次第にチクワ内部に滲透してゆくことを知った。5.漂白の目的で行われているH2O2処理は、チクワの保存性を増す効果があることを知った。6.H2O2処理によって、チクワの物理的触感がよくなるような感じをうける。物理的性状として、凹みの強度・破れの強度の測定を試みた。