著者
梅本 益雄 沢村 秀彦 江藤 良純 片山 仁 大和田 信義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.1067-1073, 1990
被引用文献数
2

HDTV (ハイビジョン) のスタジオ用VTRは, 画質, ダビング (複製) 性能の点からディジタル記録方式のものが期待されており, BTA規格によるハイビジョン信号を記録するディジタルVTRの仕様がNHKからガイドラインとして提案されている.今回, これに従って, 1.2Gb/sディジタルVTRを試作した.現在, 実用化されているディジタルVTRに比べ, 高速, 高密度記録のため, テープヘッド系における誤り率の確保が重要課題となる.このため, 次の検討を行った. (1) 代表的な信号検出方式の中から, 新たに開発したメタルテープ, 多層化SAFヘッドの周波数特性, 雑音周波数特性に適した方式を求め, 積分検出を採用した. (2) 積分検出の高域補償として5タップトランスバーサルフィルタを用い, 0.345μm/bitの短波長記録で発生する大きな符号間干渉を除去した. (3) シャトルモニタやスロー再生などの可変速再生に対処するため, タイミングクロック抽出用PLLのループ内にテープ走行速度情報を取込む構成とした.
著者
田崎 三郎 梅本 益雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, 1986-06-20

この会議の主催者は連合王国にあるIEREであり, 記録技術関連研究に関する成果のみを発表対象としているユニークな会議である.前回まではVideo&Dataであったが, 今回からはAudioが加わった.この会議は1973年, Birmingham大学においてスタートし, 第3回よりSouthampton大学に移り, 今回さらにSussex大学に会場を移して, 本年3月18日から21日まで開催された(前日の17日はTutorial dayで, この企画は毎回行われている).なお, 第5回からは2年おきに開催されている.毎回ほぼ40程度の発表件数と200名前後の参加者があるとのことで, まことにこじんまりとした会議である.日本人参加者は第4回(1982年)まで僅かであったが, 第5回には8名, 今回は9名を数えるようになった.会議は, 毎回シリアルセッション形式で行われている.いずれの開催地においても, 大半の参加者に対して, キャンパス内にあるdormitoyで泊り, 3食を共にしてもらう運営方針がとられている.さらに, 毎夜スポンサー付きの歓迎パーティがあり, そのハイライトにbanquetがある.このため自然に参加者同士語りあう機会が多くなり, 全体として和気あいあいのムードがただよう楽しい会議である.ただ, 会議運用はお世辞にもスタートとはいえず, 今回も相変わらずアナウンスメント等に不備が目立った.