著者
村元 喬 森 宏仁 大圃 研
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.676-677, 2021-05-24

潰瘍底縫縮の意義 表在性非乳頭部十二指腸腫瘍(superficial nonampullary duodenal epithelial tumor ; SNADET)に対する内視鏡治療では,スコープの操作性や筋層が薄いといった解剖学的な特徴から,他の臓器に対する内視鏡治療に比べて術中に生じる偶発症の頻度が高いことはもちろんのこと,切除後の潰瘍底に直接胆汁・膵液が曝露することで引き起こされる遅発性穿孔や後出血が最大の問題である1).しかしながら,術後の潰瘍底を完全に縫縮することで,遅発性の偶発症が減少することもわかっている2)3).このため,術後の潰瘍底の縫縮が必須であり,いかにして確実に潰瘍底を縫縮するかが重要である.