著者
鍬崎 美和 藤村 望 森 悟子
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.29-36, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

目的:救命救急センターで働く中堅看護師の困難な状況を乗り越えさせる認知を明らかにすること。 方法:質的記述的研究デザインにより、A病院救命救急センターに新卒採用で入職した看護師経験年数4~7年目の看護師5名に半構成的面接調査を行い、得られたデータから6つの認知的変数に該当するデータを演繹的にコード化し、それらを帰納的に分析して、サブカテゴリー、カテゴリーへと統合した。 結果:〔対処可能性〕は【過去の体験を将来に活かす】【適切な対処を取れる】、〔信念〕は【逃げたくないというプライド】【やっぱり救急看護がしたい】等の4カテゴリー、〔期待〕は【能力を高めたい】【組織全体を見据えた目標】等の4カテゴリー、〔自己効力感〕は【自分自身の成長を実感】【同期の存在で頑張れる】【患者や家族との関わりが原動力】、〔考え方〕は【割り切りながら仕事をする】【腹をくくって仕事をする】【振り返ると悪いことばかりではなかった】等の7カテゴリー、〔構え〕は【リーダーとしての責任】【自分がやりたい所だから頑張れる】等の6カテゴリーで構成された。 結論:救命救急センターで働く中堅看護師は困難な状況に直面した時、誇りを持ち逃げずに立ち向かいたいと思いを持っていた。また、明確な目標を持ち柔軟な考えを持つことで自らの健康管理を行い、救急看護師としての自分を見失わないようにしていた。