著者
森 浩美 飯﨑 あずさ 佐々木 俊子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.27-35, 2018 (Released:2018-03-31)
参考文献数
18

本研究の目的は、短期入院で計画手術を受けた学童期の子ども (以下、子ども) の思いを明らかにすることである。研究協力が得られた子ども13名に半構成化面接を行い、質的記述的に分析した。その結果、【入院・手術に向きあえない】【入院・手術は自分の問題として臨みたい】【入院・手術に負けそうだ】【入院中は周りの人に支えられた】【つらくても取り組んだから入院・手術は肯定できる】【退院後の生活に自分なりに向きあう】という6つのカテゴリーが抽出された。短期入院で計画手術を受けた学童期の子どもは、困難な状況にあっても自分にできることとやるべきことをやりながら、前に進むものととらえられた。看護師の役割は、入院・手術という体験が子どもにとって成長の機会となるとように支援することであると考えられた。
著者
森 浩美 小口 初枝 岡田 洋子
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.22-28, 2012-11-20

本研究の目的は、小児看護学実習において看護学生の受け持ち患者になった子どもに付き添う家族の認識や思いを明らかにすることである。受け持ち患者終了後の家族24名を対象に半構造化面接を行い、質的記述的に分析した。その結果、家族は学生の受け持ち患者になることへの心配や懸念を感じつつ、協力するのは当然という思いと子どもの成長や付き添い生活の支援など得られるものへの期待から承諾していた。そして、家族は学生の消極的な態度や不慣れな対応に戸惑いや心配を感じていた。しかし、家族は楽しむ子どもの姿や学生の子どもを思う接し方、自分自身も支援を受けられたことに満足し、時には学生が付き添い生活のパートナーになると感じていたことが明らかとなった。教員は学生の看護の質を高め、家族の心配や懸念が実際のものとならないように、期待したことは叶えられるようにするという役割がある。