- 著者
-
森 誠護
永田 聡典
名頭薗 亮太
- 出版者
- 日本スポーツパフォーマンス学会
- 雑誌
- スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.60-67, 2022 (Released:2022-04-01)
- 参考文献数
- 21
本研究では,バタフライ及び平泳ぎで用いるopen turnに着目し,ターン動作とジャンプパフォーマンスとの関係性について明らかにすることで,競泳選手の効果的なトレーニング方法の基礎資料を得ることを目的とした.本研究は,バタフライ及び平泳ぎを専門とする大学男子競泳選手8名を対象とし,競泳ターン測定はopen turnにて実施した.被験者の泳区間はターン前後10mとし,全力泳にて泳動作及びターン動作を実施した.被験者のターン動作を評価するため,ターン動作時の回転時間,足部接地時間,蹴り出し速度をそれぞれ計測した.ジャンプパフォーマンス測定では,スクワットジャンプ,垂直跳び,立幅跳びを計測した.この結果,ターン測定とジャンプパフォーマンス測定の変数間での関係性において,ターン時の蹴り出し速度とスクワットジャンプにおけるピークパワー(r=0.857,p<0.01)及びピーク速度(r=0.805,p<0.05)との間に有意な相関関係が認められた.以上の結果から,スクワットジャンプのピークパワー及びピーク速度を高めるためのトレーニングはターン局面のパフォーマンス向上に寄与する可能性があることが明らかとなった.