- 著者
-
福元 雄一郎
師田 信人
塩田 曜子
森 鉄也
- 出版者
- 日本脳神経外科コングレス
- 雑誌
- 脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.7, pp.581-588, 2014 (Released:2014-07-25)
- 参考文献数
- 25
ランゲルハンス組織球症 (LCH) は中枢神経晩期合併症をきたし得る比較的まれな疾患である. われわれは, 2005年3月∼2010年9月までの間に当科で手術を施行したLCH 14例の臨床的特徴について後方視的に検討した. 多くは有痛性の緩徐に増大する頭部腫瘤で発症し, 化学療法を施行した13例中2例で再燃した. LCHには多発・再燃例があるため, 全身検索が必須である. また, 頭蓋病変では中枢神経晩期合併症の防止が重要である. 約半数が多臓器に発症し, 化学療法を行ったにもかかわらず2例で再燃したことからは, 外科単独治療の危険性が示唆される. LCHの治療では小児腫瘍専門医との共同診療が推奨される.