著者
森川 郁也
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.37-46, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
43

機械学習技術は,適切な処理方法を人間が明示するのではなくデータから学ばせるという新しいソフトウェアパラダイムであり,幅広い応用分野に大きな進展をもたらしつつある.しかし未解明の部分も多く,それゆえに機械学習特有のセキュリティ上の弱点が見つかっており,現在盛んに研究されている.本稿では機械学習のセキュリティに関する研究の動向を紹介し,セキュアな人工知能(AI)応用システム実現への展望を述べる.
著者
小倉孝夫 森川郁也 安田雅哉 長谷部高行 新崎卓 津田宏
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1995-2000, 2014-07-02

生体認証をインターネット上で実現することで,本人確認性の高い様々なサービスを容易に利用可能にするシステムを開発した.ネットサービスで生体認証を利用する際の課題として,クラウド上に生体情報を預ける不安がある.また,最近ではサービス事業者の代わりに認証サービスおよびユーザ個人のデータを預かるIdP(Identity Provider)も現れ,ユーザはサービス事業者へユーザ個人のどのようなデータを提供するか制御したいという要求がある.前者に対しては,手のひら静脈から抽出したバイオ特徴コードを,準同型暗号で保護したままサーバに保存および照合することにより,インターネット上であっても安全に生体認証を実現することで解決する.また,後者に対しては,認証・ID連携の標準的な技術であるOpenID Connectと組み合わせ,サービス等に応じて匿名レベルを選択できることで,不要なユーザ個人のデータをサービス事業者へ提供しないようにする.これらの技術をクラウド上で試作・性能評価し,さらにデモンストレーションシステムを構築した.