著者
齊藤 紅 簑島 良一 椎葉 究
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.170-175, 2016-04-15 (Released:2016-05-31)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

ミョウバン中の硫酸アルミニウムカリウム(PAS)やグルコノ-δ-ラクトン(GDL)がパンケーキなど膨張剤として使用されているが,それらのタンパク質への影響について,オズボーン分画変法によりタンパク質を分画しその構成比の違いから評価した.その結果,PASやGDLの添加量を増やすと,パンケーキ中の水溶性タンパク質(アルブミン区分)の比率が減少し,代わって水不溶性の区分,特に70 %エタノール可溶性タンパク質(グリアジン区分)や酸可溶性タンパク質(可溶性グルテニン)および不溶性グルテニン区分が増加する傾向にあり,全体的にタンパク質の水不溶性が増加する傾向があった.このタンパク質の構成の変化の原因を探るため,いろいろな化合物を添加して効果を比較した中で,過酸化水素水の添加は,パンケーキの膨張にたいへん効果的であり,PASやGDL添加時と同様なタンパク質の水不溶化傾向を生じた.一方,増粘多糖類であるアルギン酸ナトリウム(SAA)の添加は,そのような効果が認められなかった.