著者
榊原 敏弘
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.139, no.4, pp.170-173, 2012 (Released:2012-04-10)
参考文献数
3

「薬の候補」を用いて国の承認を得るために行われる臨床試験を「治験」といい,この「治験」に用いる薬のことを「治験薬」という.「治験薬」を製造する際に遵守すべき適切な製造管理および品質管理の方法ならびに必要な構造設備に係る事項を定めた基準が治験薬GMPである.米国で起こった薬害に端を発して1963年に米国でGMPが制定された.日本でも,1980年にGMPが厚生省令として公布された.GMPは国に承認を得た医薬品を対象としており,治験薬はGMPの対象外であったが,1997年の省令GCPの制定に伴い,治験薬GMPが厚生省薬務局長通知として発出された.本稿では,治験薬GMPの21の条文の中から「1. 目的」,「5. 治験薬製造部門及び治験薬品質部門」,「13. 変更の管理」,「14. 逸脱の管理」,「18. 教育訓練」を取り上げて,解説を加えた.