著者
関 達也 島津 利行 和智 誠 榊原 肇 大口 敬
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.31-38, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
6
被引用文献数
3

東京都内に整備される約 16,000 箇所の信号機のうち、約 8,000 箇所が交通管制センターに接続されており、約 20,000 箇所に設置された車両感知器の情報を元に信号秒数を調整している。車両感知器は交通状況把握に不可欠であり、約 19 年ごとの施設更新が適当とされるが、交通安全施設の維持費用や管理労力は多大であり、更新に遅れが生じている。近年、プローブ情報の活用に関する研究開発が盛んに行われ、実用化に向けた取組みも多く提案されている。我々は、TomTom 社の協力のもと、プローブ情報と車両感知器それぞれから推定した渋滞長と旅行時間の比較を行った。更に、車両感知器が整備されていない非幹線道路の交通状況をプローブ情報で補完し、実際の信号制御へ活用することの有効性を検証した。
著者
榊原 肇 大口 敬
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.6, pp.1-10, 2016-10-01 (Released:2016-10-01)
参考文献数
4
被引用文献数
5

系統制御は、複数の信号制御交差点を通過する車両の停止時間及び停止回数を最小化することを目的としている。最も単純な 1 リンク 2 交差点で、青現示率が共に0.5の場合の系統効果の性質はよく知られているが、任意の青時間率の場合の性質は明確ではない。本稿では系統効果の概念を再検討し、一般化して定式化する。系統効果とサイクル長、リンク長、往復旅行時間との関係を任意の青時間率に対して定式化し、その特性を考察する。その結果、系統効果が高いとは、リンク間の往復旅行時間がサイクル長またはサイクル長のN 倍数に一致する場合、系統効果が低いとは、リンク間の往復旅行時間が青時間長またはサイクル長のN 倍数+青時間長に一致する場合であることを示す・