著者
榊原康友 松澤芳昭 酒井三四郎
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-118, no.8, pp.1-8, 2013-02-01

プログラミング学習において内省が有効であるとする先行研究がある.しかしながら,先行研究では学習者の内省記述のみから学習効果を分析しており,コンパイルエラー修正時の行動を量的に測れないことが問題である.そこで,本研究では修正時間に着目したコンパイルエラーの難易度及び理解度を分析する指標を提案する.この指標をプログラミング初学者が課題を解く過程で得られた学習記録へ適用することで内省学習効果の分析を試みた.1) 失敗知識の内容から理解度の向上が窺える時は,その次の修正時から修正時間が短くなる傾向を持つことが多い.2) 非内省学習者と比較して内省学習者の修正時間は短い時間で収束しやすい.3) 非内省学習者と比較して内省学習者は短い時間で収束する速度が速い.