著者
樋口 翔 野田 淳史 曰野 英逸 村田 昇
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.26, pp.1-6, 2013-06-20

動物は脳内のニューロンの協調的な活動により情報を処理している.この協調の様子をグラフとして表現し,その構造を推定することは,脳内における情報処理の仕組みの理解につながる.ニューロンのシナプス結合には向きが存在するため,ニューロンの結合モデルとしては有向グラフが適切であり,また,グラフ構造推定手法としても有向グラフに適用可能な手法が要求される.本研究では,digraph Laplacian によって有向グラフを簡潔に表現し,グラフ上で情報が遷移する様子をモデル化する.さらに,モデルのパラメータ推定手法を提案する.ニューロンモデルから作成したデータを用いて,提案手法によって有向グラフ構造の推定が可能であることを実験的に示す.