著者
村田 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.155-162, 2006-03-16
参考文献数
8
被引用文献数
2

スパースコーディングは生物の初期視覚の情報処理を数学的にモデル化したもので,与えられた画像を比較的少数の基底の線形和で表現するために,適切な基底系を統計的・情報論的な基準にもとづいて構成する手法である.本稿では個々の画像を分解したとき得られる係数を確率変数として捉え,その情報量をできるかぎり削減して効率の良い表現を求めるという観点から,スパースコーディングの基本的な考え方を解説する.
著者
村田 昇 金森 敬文 竹之内 高志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-729, 2005-09-01
被引用文献数
2

本稿では, 近年機械学習の分野で注目を集めているアンサンブル学習の一つであるブースティングを取り上げる.特に三つの学習器によるブースティングの仕組みについて考えて, 「三人寄れば文殊の知恵」を実現するためにどのような工夫が用いられているのかを解説する.
著者
沈浩洋 日野英逸 村田昇 若尾真治
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MPS-86, no.15, pp.1-6, 2011-11-24

太陽光発電,風力発電,及びコジェネレーションシステム (熱電併給システム) は,家庭の発電手段として実用化され,導入が進んでいるが,これらの発電手段にはそれぞれ長所と短所がある.実際にこれらの発電手段を導入する際には,家庭の電力消費パターンに応じて発電システムを最適に組み合わせる必要がある.本研究では,家庭の電力消費量の典型的なパターンを抽出する手法を提案する.一日の電気消費量を混合正規分布でフィッティングし,一般化 KL 情報量を用いて家庭の電力消費データを一日単位でクラスタリングする.Annex42 データセットを使い,提案手法により電気消費量の典型的なパターンを抽出できることを示す.
著者
村田 昇
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.56, pp.69-75, 1987-11-10 (Released:2009-09-04)

わたくしは、ギリシア・ローマの教育思想については、まったく門外漢である。もちろん、時にはプラトンやアリストテレスの翻訳書や研究書をひもとき、また、石山脩平・稲富栄次郎両博士らのギリシア教育思想に通暁された先撻による通史に接し、西洋教育思想の源流に立ち還ることは怠っていない心算である。とはいっても、それは、西洋教育思想を研究する者としては当然のことであろうし、わたくしのギリシア・ローマ教育思想の理解は、きわめて常識的なものにすぎない。したがって、永年にわたって研究された専門家の筆になる『ギリシア・ローマの教育思想』について論評を行うなどということは、まったくおこがましいし、わたくしにはその資格も能力もない。ただ、編集子の求めに応じ、読後感を述べるにすぎない。
著者
村田 昇
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1970, no.21, pp.60-66, 1970-05-15 (Released:2009-09-04)

今まで学んできたドイツ教育理論を、一度、その理論を生み出した基盤の上に立って見なおしてみたい、特にその際、それを理論と実践との関連において把えてみたい、そのためには、単に伝統に生きているところよりも、むしろ伝統をうちにはらみながら近代化のなかに揺れ動いているところの方がいいのではないか。これが、私が留学の地にハンブルグを選んだ一つの理由でした。この点ハンブルグは、自由ハンザ同盟以来の古い歴史的伝統と、アルスター湖およびエルベ河に象徴される自然の美とを誇り、それらを保護し、生かしながら、そのなかに若々しく活動する近代商業都市として形成されており、私の念願にかなっていたことになります。そこで、大学に出席するかたわら、できるだけ多くこの地の教育の現実に膚でふれてみたいと、つとめて各種の学校や教育施設を視察しています。しかし、ハンブルグを選んだより大きな理由は、この大学に、かのSpranger, Litt, Nohlなきあとの西独教育学界の重鎮Wilhelm Flitner (1889.8.20生) 教授と、Spranger高弟であるHans Wenke (1903.4.22生) がおられることでした。しかしここに来てみると私の期待は裏切られ、Flitner教授は老令のためにすでに退官、チュービンゲンの息子さん (Andreas Flitner) のところにいってられるのか、ここしばらく音信不通で、とても面会はできないだろうとのことです。Wenke教授に関しては、この大学でも前ゼメスターには相当にはげしい学生の動きがあり、先ずねらわれたのがWenke教授。なんでも戦時中にヒットラー体制に迎合する行動があったことを、急進学生によって糾弾され、それにいやけがさしたのか、本ゼメスターから退官された様子。今は、Spranger全集の編集と大学に付設されたハンス・ブレドウ放送研究所の所長として多忙のようで、出張がちで、彼を助けてSpranger全集の第五巻Kulturphilosophie und Kulturethikの編集にたずさわったKlaus Schleicher助手が、なんとかして私に会わせる機会を作ろうと努力し、また、Wenke教授からも日本のSprnger研究の動向などを知りたいから是非にという返事を受けてはいても、いまだにその機会に恵まれません。さらにKleine pädagogishe TextやZeitschrift füt Pädagikの編集者として知られていたGeorg Geissler (1902.11.22生) 教授もすでに退官。Doktorande-kolloquiumだけはすることになっていますが、殆んど大学には顔を見せず、面会も難しいようです。そのようなことで、ここに来た当初は、いささか失望したことは否定できません。しかしその後、あとで述べるHansmann, Scheuerl両教授と、ベルリン大学でSpranger教えを受け、現在、演習でその著作を読むLotte Lipp-holscher講師、前述のSchleicher助手、それにSpanger初期の思想を学位論文としてまとめつつあるMichael Loffelholz助手らとの出会いによって、この大学に学べることに喜んでおります。こちらに来ましてから、まだ四ヵ月。知りえたことはごく僅かでしかありませんが、この大学の教育学科の特色や学風について、いくらかなりとも御紹介したいと思います。
著者
村田 昇
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1964, no.10, pp.26-44, 1964 (Released:2009-09-04)
参考文献数
25

Eduard Spranger looked on the lack of political interest of the German people as an “hereditary defect.” Not only did he issue frequent warnings on the subject. He also exerted strenuous efforts to show how to overcome the defect. The roots of this defect he thought were to be found in the type of humanistic education which received its classic formulation by W. von Humboldt. He labored to discover a culture ideal for the new age by synthesizing the ideal of von Humboldt with that which by analogy he established as the ideal of political education, given its classic formulation by Frederick the Great. This work of Spranger gradually appeared in his demand for “political education.” What hemeant by “political education” was “education for country and for service to the totality, ” but this is not to be misunderstood as meaning blind servility to the nation-state or to the people. Spranger meant that under all circumstances education should be directed to acceptance of obligations in a spirit of freedom, with each individual conscious of his responsibilities and his position as an individual in a totality. In his thought, education was ultimately to be directed to nurturing an ethical and political attitude of spontaneity in the light of which men would shoulder their civic responsibilities according to their decisions made in good conscience before God. It is this kind of political education which I try to make clear in this essay.
著者
村田 昇
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1960, no.3, pp.47-59, 1960 (Released:2009-09-04)
参考文献数
17

「教育とは何か?」この問題に関しては、古来、多くの思想家や教育学者によって、さまざまな定義がくだされてきた。しかしそれらは十入十色であって、決して一様でない。それは、究極的には、その人それぞれの世界観に依存するものだからである。そうだといって、教育の定義や概念を各人各様の考えのままの無政府的な規定や使用に委ねるならば、教育活動における混乱は避けられ得ないであろう。ここに、それらの全体を通じて流れる何ものか、それらに共通の、教育固有の (pädagogisch・eigentlich) 本質といったものを見出すことの必要な所以がある。このことに関して、エドウァルト・シュプランガーが、その著『教育学的展望』 (Eduard Spranger : Pädagogische Perspektiven. Beiträgezu Erziehungsfragen der Gegenwart 1950.) において展開した見解は、示唆するところすこぶる多いものと思われる。これを、他の諸著作にあらわれた彼の見解によって拡大・深化しながら、教育の本質概念ともいうべきものを探り出そうとするのが、この小論のねらいである。
著者
村田 昇
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1970, no.21, pp.60-66, 1970

今まで学んできたドイツ教育理論を、一度、その理論を生み出した基盤の上に立って見なおしてみたい、特にその際、それを理論と実践との関連において把えてみたい、そのためには、単に伝統に生きているところよりも、むしろ伝統をうちにはらみながら近代化のなかに揺れ動いているところの方がいいのではないか。これが、私が留学の地にハンブルグを選んだ一つの理由でした。この点ハンブルグは、自由ハンザ同盟以来の古い歴史的伝統と、アルスター湖およびエルベ河に象徴される自然の美とを誇り、それらを保護し、生かしながら、そのなかに若々しく活動する近代商業都市として形成されており、私の念願にかなっていたことになります。そこで、大学に出席するかたわら、できるだけ多くこの地の教育の現実に膚でふれてみたいと、つとめて各種の学校や教育施設を視察しています。<BR>しかし、ハンブルグを選んだより大きな理由は、この大学に、かのSpranger, Litt, Nohlなきあとの西独教育学界の重鎮Wilhelm Flitner (1889.8.20生) 教授と、Spranger高弟であるHans Wenke (1903.4.22生) がおられることでした。しかしここに来てみると私の期待は裏切られ、Flitner教授は老令のためにすでに退官、チュービンゲンの息子さん (Andreas Flitner) のところにいってられるのか、ここしばらく音信不通で、とても面会はできないだろうとのことです。Wenke教授に関しては、この大学でも前ゼメスターには相当にはげしい学生の動きがあり、先ずねらわれたのがWenke教授。なんでも戦時中にヒットラー体制に迎合する行動があったことを、急進学生によって糾弾され、それにいやけがさしたのか、本ゼメスターから退官された様子。今は、Spranger全集の編集と大学に付設されたハンス・ブレドウ放送研究所の所長として多忙のようで、出張がちで、彼を助けてSpranger全集の第五巻Kulturphilosophie und Kulturethikの編集にたずさわったKlaus Schleicher助手が、なんとかして私に会わせる機会を作ろうと努力し、また、Wenke教授からも日本のSprnger研究の動向などを知りたいから是非にという返事を受けてはいても、いまだにその機会に恵まれません。さらにKleine p&auml;dagogishe TextやZeitschrift f&uuml;t P&auml;dagikの編集者として知られていたGeorg Geissler (1902.11.22生) 教授もすでに退官。Doktorande-kolloquiumだけはすることになっていますが、殆んど大学には顔を見せず、面会も難しいようです。そのようなことで、ここに来た当初は、いささか失望したことは否定できません。<BR>しかしその後、あとで述べるHansmann, Scheuerl両教授と、ベルリン大学でSpranger教えを受け、現在、演習でその著作を読むLotte Lipp-holscher講師、前述のSchleicher助手、それにSpanger初期の思想を学位論文としてまとめつつあるMichael Loffelholz助手らとの出会いによって、この大学に学べることに喜んでおります。<BR>こちらに来ましてから、まだ四ヵ月。知りえたことはごく僅かでしかありませんが、この大学の教育学科の特色や学風について、いくらかなりとも御紹介したいと思います。
著者
村田 昇
出版者
梅光学院大学
雑誌
国文学研究 (ISSN:0286293X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.46-55, 1965-11-01
著者
樋口 翔 野田 淳史 曰野 英逸 村田 昇
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.26, pp.1-6, 2013-06-20

動物は脳内のニューロンの協調的な活動により情報を処理している.この協調の様子をグラフとして表現し,その構造を推定することは,脳内における情報処理の仕組みの理解につながる.ニューロンのシナプス結合には向きが存在するため,ニューロンの結合モデルとしては有向グラフが適切であり,また,グラフ構造推定手法としても有向グラフに適用可能な手法が要求される.本研究では,digraph Laplacian によって有向グラフを簡潔に表現し,グラフ上で情報が遷移する様子をモデル化する.さらに,モデルのパラメータ推定手法を提案する.ニューロンモデルから作成したデータを用いて,提案手法によって有向グラフ構造の推定が可能であることを実験的に示す.
著者
三浦 和起 日野 英逸 村田 昇
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-6, 2010-12-09

時系列の予測は古くからある重要な問題であり,特に株価の予測は経済動向の予測や資産運用の指針として需要が高い.コンピュータ性能の発達と共に,学習理論を用いた経済時系列データに関する研究が活発に行われているが,株価のメカニズムを捉えることは依然として困難な問題である.本稿では,単一の予測モデルにより株価を一点で予測するのではなく,複数の予測モデルの学習を行い,各モデルに適切な重みを付けることで予測値の分散を低減する手法を提案する.基礎となる予測モデルは遺伝的プログラミングを用いて構成する.各予測モデルの重みは,学習用データと予測モデルの出力値とのクロスエントロピーが最小となるように定める.提案した予測手法の有用性を,人工データ及び日経平均株価の 1 分足の予測によって検証する.Prediction of time series data is a long standing important problem. Especially, prediction of stock price is much in demand for forecasting the economic trend and guideline for asset maintenance. Although there are growing number of studies on learning theory based time series prediction, the prediction of stock prices is still being very difficult task. In this study, the stock prices is predicted not only using one predictor, but using a set of predictors generated by the method of Genetic Programming (GP). Each element predictor is given non-negative weight, and the weight is optimized to minimize the cross entropy between the true learning stock prices and the weighted sum of predicted values. The proposed stock price prediction method is evaluated using both an artificial data and real-world stock price data.