著者
大西 寛 永井 斉 樋田 行雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.328-332, 1962-03-05 (Released:2009-05-29)
参考文献数
4

ビスマスを冷却材とする半均質炉の研究開発が現在日本原子力研究所において進められている.これに伴ないビスマス中のコン跡のホウ素の定量法が必要となった.ビスマス粉末試料を塩酸と臭素により溶解後過剰の臭素を加熱により除く.つぎにメタノールを加え,ホウ素をホウ酸メチルとして蒸留分離する.留出液は水酸化カルシウム懸濁液に捕集したのち蒸発乾固する.残分に一定量の塩酸と水を加えてからクルクミン法による吸光光度定量を行なう.0.1~1ppmのホウ素に対して回収率は少し低く,+10%の補正が必要である.この補正を行なえば,誤差は±0.1ppm B 以内と考えられる.