著者
横尾 惠美子
雑誌
聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要 = Bulletin of the School of Social Work Seirei Christopher University
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-10, 2016-03-31

本研究では地域包括支援センターを研究対象機関とし、そこに勤務する介護支援専門員を対象に支援している要介護(要支援)高齢者の権利擁護の実態と介護支援専門員の成年後見制度や市民後見人の利用実態や制度活用に対する考え方を解析し、成年後見制度が地域包括ケアシステムの一翼を担うための課題と展望について提言することにある。 成年後見制度等の利用支援を積極的に行う職員もいる一方、制度利用に消極的な介護支援専門員がいることが判明した。その要因のひとつは忙し過ぎるということであるが、制度の理解が十分でないことや制度を利用する際の手続き等が難しいと感じていることと相関があり、忙しさと制度理解不足も関連していることが判明した。 市民後見の導入も急務であるが、同時に成年後見制度の利用につなげていく要である地域包括支援センターの職員の制度に関する理解の促進のための研修と支援につなげるための連携体制の整備もこれからの課題である。