著者
寺沢 重法 横山 忠範 テラザワ シゲノリ ヨコヤマ タダノリ Terazawa Shigenori Yokoyama Tadanori
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-25, 2014-10

本稿の課題は、「現代日本において「死後の世界を信じること」と幸福感の間にはどのような関係が見いだされるのか」という問いに、日本版General Social Surveys(JGSS-2008)の探索的分析を通じて答えることである。知見は以下の通りである。①社会─人口学的諸変数および宗教属性を統制した上でも、死後の世界を信じる男性の回答者の幸福感は有意に高いことが明らかになった。②「死後の世界を信じること」は相対的世帯収入の低い回答者に対してのみストレス緩衝効果をもつことが明らかになった。③男女別も分析を行ったところ、男性については、「死後の世界を信じること」と幸福感の間の正の有意な関連と相対的世帯収入が低い回答者へのストレス緩衝効果が確認されたが、女性についてはいずれも確認されなかった。